葉酸は言語発達遅延も予防できる

葉酸は妊娠中、特に器官形成期4~8週間はしっかり取らないと、脊椎二分裂症になる確率が上がります。

でも、葉酸の効果はこれだけではありません、なんと、言語発達遅延を予防するという効果がJAMAに報告されました(http://jama.ama-assn.org/content/306/14/1566.short

■方法■
前向き研究です。1999年から2008年までノルウェイ人のお母さんのボランティアを募りました。妊娠期から、出産後3年までフォローアップしました。

妊娠、特に、4週から8週までの葉酸サプリメントの摂取を調べました。

そして、誕生したお子さんの言語能力を6-point ordinal language grammar scale(使用する文法能力のレベルを最大を6点として、点数化したスケールと思います)で調べました。このスケールで最低点だったお子さんを重篤な言語発達遅延とカウントしました(単語でしかしゃべれなかったり、単語をつなげても意味が分からない場合)。

■結果■
誕生した38,954人のお子さんの内 204人(0.5%)が重篤な言語遅延が認められました。

妊娠4~8週に全くサプリメントとってないお母さんは9052人(24%)いましたが、言語発達遅延は81人(0.9%)で認められました。この全くサプリメントとってないお母さんから誕生し、言語遅延が認められたお子さんの割合を1としてます。


①葉酸以外のサプリメントを取っていたお母さんからできた子供が言語発達遅延になるリスク比は、サプリメントを全くとっていない人に比較するとオッズ比は0.90でした(この群のお母さんの数は2480人[6.6%]で、言語発達遅延は22人のお子さんで認められました)。, with severe language delay in 22 children [0.9%];

②葉酸を摂っていたお母さんから、言語発達障害のお子さんができるオッズ比は0.55と、サプリメントを摂ってないお母さんからのお子さんに比べて有意に少なくなっています(7127人[18.9%]で28人[0.4%])

③葉酸だけでなくほかのサプリメントを摂ったお母さんからできたお子さんの言語発達遅延になる割合とサプリメントを摂っていない方と比較すると、オッズ比は0.55でした(19 005人[50.5%]中に73人(0.4%)が見いだされました。

■まとめ■
妊娠早期、4~8週に葉酸を摂ると言語発達の遅延が予防できることが証明されました。

葉酸はこの時期、1日400μg摂取が進められています。
今までは脊椎二分裂症というあまりなじみが少ない先天性疾患でした。

しかし、言語発達遅延というのは0.9%、すなわち100人いたら1人くらいはみられる確率です。結構高いのではないかと思います。これが、半分にまで下がるのですから、薬剤師だっても葉酸のサプリメント、本気で進めなくっちゃ!