プラザキサ vs ワルファリンの費用対効果

プラザキサ、ブルーシートが出て、以前ほどバイエルもイケイケムードから少し落ち着いてきたのではないかと思います。

そんな中、BMJにプラザキサとワルファリンどちらが医療経済学的に優れているのか?シュミレーションしたレポートが掲載されていました(http://www.bmj.com/content/343/bmj.d6333.full)。

■方法■
プラザキサとワルファリンの有用性を比較したRE-LY試験をも用いて、両薬剤の質調整生存年(QALY:生存年数に健康に生活した場合を1とした際の質をかけた年数)、ワルファリンと比較して1QALY上げるのに必要な費用(増分費用効用比、対象に比較して健康に1年間生存するための費用です)をシュミレーション下

■結果■
プラザキサは110mgでも150mgでもQALYをワルファリンに比べて0.094年および0.146年延長しました。

ワルファリンに比べて、150mgでは94%、110mgでは76% 有用性ががでました。


一方、経済学的な観点からみると、プラザキサ150mgは110mgを凌駕し、ワルファリンに対する増分費用効用比(ワルファリンよりQALYを1年上げる費用)は約280万円でした。さらにCHADS2スコアが3以上であれば、プラザキサ150mgの費用対効果は上がりました。

しかく、INRがよくコントロールされている施設、例えば英国では、費用対効果はよくなく、増分費用効用比は約450万円と跳ね上がりました。

■まとめ■
結果から推測するに、プラザキサは確かにワルファリンに比べて効果/リスク比に対して優れた改善効果をしましました。

しかし、110mgでは臨床的にも医療経済学的の150mgを凌駕しえませんでした。また、150mgでもワルファリンより費用対効果が優れていたのは、脳卒中へのリスクが増した患者さんとINRのコントロールが悪い患者だけでした。