プラビックスとCYP2C19

実習も終わり、なんか、久しぶりの投稿です。

さて、まずはJAMA!結構今月号は話題満載です。

一番上に書いてあったのが、「Dosing Clopidogrel Based on CYP2C19 Genotype and the Effect on Platelet Reactivity in Patients With Stable Cardiovascular Disease 」。すなわち、CYP2C19の遺伝子多型が心疾患の患者の血小板機能抑制作用に差がでるのか?そして用量アップで補えるのか?ということを調べた論文がありました。

結論はヘテロタイプではドーズアップで十分対応できますが、ホモではワイルドで作用には達しませんでした

■方法■
心疾患患者、333人のCYP2C19の遺伝子多型(CYP2C19*2)を測定し、プラビックス様々な用量での作用を検討するために、2週間をワンクールとして、4クール試験を実施した。CYP2C19の遺伝子多型がある患者さんには75、150、225および300 mg/日の用量をそれぞれワンクールずつ(ホモは6例、ヘテロは80例)。遺伝子多型のない患者さんには75、150mgをそれぞれ2クールずつ、実施した(247例)。

試験ではプラビックス投与後の血小板機能をモニタリングとP2Y12の反応性を調べ、同時に副作用を調べました。

■結果■
プラビックス75mg/日ではCYP2C19*2のヘテロタイプの血小板反応性はワイルドタイプに比べて、有意に高胃いという結果になりました。しかし、300mgまで用量を上げると、ヘテロタイプの遺伝子多型の患者では用量依存的に血小板機能が抑制された。さらに、プラビックス75mgではCYP2C19*2の遺伝子多型の52%がno-responderだったのですが、225または300mg/日にするとわずか10%まで低下しました。CYP2C19*2遺伝子多型のヘテロタイプでのプラビックス225mg/日の血小板機能はワイルドタイプのプラビックス75mgとほぼ同等と考えていいようです。

一方、CYP2C19*2遺伝子多型のホモタイプではプラビックスを300mgまで増量してもワイルドタイプでのプラビックス75mgの血小板機能まで抑制できませんでした。

■まTめ■
心疾患の患者さんではCYP2C19*2遺伝子多型のヘテロタイプではプラビックスを3倍量服用するとCYP2C19*2遺伝子多型のない患者さんでの通常量と同等の効果が期待できます。しかし、ホモタイプでは用量アップしてもワイルドタイプ並みの効果は期待できないようです。

このことはプラビックスの使用に際する遺伝子多型の検査の必要性を示すとともに、その結果により治療方針がきめられることが示唆されています。