古い薬が良いんだな~

結核は古くて新しい病です。
毎年、世界中で800万人が感染し、300万人がなくなっているといわれています。
日本だって、毎年3万人近くの人がかかっています。

様々な薬が出ていますが、まずは予防です。そして感染したら、発症予防のための治療です。一般的にはイソニアジドを9か月近く服用します。

ひとえに9か月、長いです。この期間を短くしようという試みが実施されてきました。

今月号のNEJMに古い薬ですが、リファペンチンとイソニアジドと併用すると3か月で感染が予防できることが証明されましたという論文が掲載されていました(http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1104875)。

■方法■
結核患者に接触し、結核を発症しそうな患者さんで調べました。イソニアジド(300mg)単独とリファペンチン(900mg)+イソニアジド(300mg)の2群に分け、それぞれ前者は9か月、後者は9か月間投与した。

患者さんは33か月フォローアップしました。一次エンドポイントは結核の発症率の比較と、両者の非劣性のを比較しました。

ちなみにリファペンチンはリファジンと同系統の抗結核薬で、諸外国でも現在は使用されていません

■結果■
リファペンチン+イソニアジドの群では、結核の発症は7例/3986例、イソニアジド単独でも15例/3745例と、その差は0.24%と軽微なもんでした。

ただ、試験を無事終わったのは、リファペンチン+イソニアジドの群では82.1%、イソニアジドの群では69.0%と、やはり治療期間が短い併用療法の方がアドヒアランスが良いようです。

治験脱落率はリファペンチン+イソニアジドの群では4.9%、イソニアジドの単独群では3.7%と少ないようですが、薬由来の肝障害は逆にイソニアジド単独の方が多かった。


■まとめ■
リファペンチン+イソニアジドは3か月の投与で、イソニアジド9か月投与と同等の効果が得られました。

治療期間が短いことが、コンプライアンスの向上期待できるという証明になりました。

ちなみにリファペンチンと同系列のリファンピシリンです。イソニアジドと併用すると、3か月間で単独と同等の効果があることを別なところでも言っていました。