静注用血小板抑制薬
久しぶりの、JAMAです。
もともと、PCIの時に使うために治験してましたが、プラビックスに負けた、カングレロールという静注用血小板抑制薬があります。
静注後は速やかに代謝され効果が切れるという性質を利用して、手術前に投与を中止するプラッビックスなどの抗血小板薬のつなぎに使用できないか、という研究が載っていました(http://jama.ama-assn.org/content/307/3/265.short)。
■方法■
心臓バイパスの手術の患者を用いて、二重盲検試験で行っています。被験者には手術48時間前に抗血小板薬の服用をやめてもらい、カングレロールまたはプラセボを手術1~6時間前まで投与しました。
評価は血小板機能と手術中の出血です。
■結果■
血小板機能はカングレロール注入期間は有意に抑制されていました。
一方、手術中の重篤な出血はカングレロールで11.8%、プラセボで10.4%と、ちょっとカングレロールが多い傾向でしたが、両者には有意差はありませんでした。
■まとめ■
手術中の出血では有意差がなかったのでは、カングレロールは手術前の抗血小板薬休薬時に有用ではという結論です。
手術前にワーファリンを止めた際に、ヘパリンを使うような使用法がカングレロールでできると良いかもしれません。