アスピリンにPPIを併用するとまずい?

ちょっと古いレポートです。
朝、薬局の1月号を読んでいたら、「低用量アスピリンの患者でPPIを服用している患者としてない患者で比較すると、心血管イベントの再発リスクが増える」という報告が載っていました。

そこで、オリジナルをあたってみました。昨年のBMJです(http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2690.full

■方法■
1997年~2006年の間に心筋梗塞を発症、30日後に生還し、その後アスピリンを投与されている患者さんを1年間追跡調査します(プラビックス服用者は除外されています)。

エンドポイントは心筋梗塞の再発、脳卒中、心血管死の発症です。

■結果■
19925例中、3366例でイベントが発生しました(16.9%)。PPI非投与群を投与群と比較すると、ハザード比が1.46でした。さらに、様々な因子を補正すると、1.61となり、有意な差となりました。

一方、H2ブロッカーではハザード比は1.04と差がありませんでした。

■まとめ■
プラビックスとPPIの関係にしか目が行きませんでしたが、アスピリンの効果もPPIで変わるというのは、意外です。

メカニズムはちょと歯切れが悪いですが、①PPIによるpHの上昇が胃内のアスピリンをイオン型にして胃内吸収を抑える、②PPI自身が血小板機能を亢進する、ということを言っています。

どちらにせよ、何でもかんでもPPIも少し考えて直してもいいのかもしれません。