ボタニカルアート

植物を写実的にかつ芸術的に描かれた「ボタニカルアート」。

九州大学名誉教授、長崎国際大学名誉教授・特任教授の
薬学博士 正山征洋先生のご厚意により、
所蔵されているボタニカルアートの一部を連載で紹介していただくことになりました。

先生の解説も合わせてお楽しみください。

ボタニカルアート連載によせて

 ボタニカルアートの語源は英語のボタニーの形容詞ボタニカル(Botanical =植物の、植物学の)とアート(Art=芸術、美術)を結びつけた造語で、直訳すると“ 植物学の美術”となります。植物を良く観察し、形や色や特徴を写実的に克明に、かつ芸術的な美しさをもって描いた絵のことをボタニカルアートといいます。植物学、または博物学は中世に入り極めて活発な時代を迎えました。これらボタニカルアートの多くは学問の場で用いられたため、当然ながら具象的で緻密かつ繊細に描かれた優れた絵画が多く残されています。中でも薬草は依然医療の中心的役割を担っていましたので(19世紀初期まで)、薬効のある薬草をいかに正確に探し出すかは人命に関わる問題でした。このため、植物図鑑としての優れた医学書、博物学書が出版されました。15~16世紀前半の大航海時代に入り、世界各地からヨーロッパに続々と新しい植物がもたらされ、また、貴族達が画家を連れて新天地へ植物観察に出かけることもあったでしょう。人々の植物への関心が高まり、見て楽しむ植物になってきたわけです。こうした時代的背景から17~18世紀になって文化として保護育成されるに至りました。
 毎月本HPにボタニカルアートの紹介と、その薬効等を紹介してゆこうと思いますので、ご期待ください。

正山征洋 薬学博士
九州大学名誉教授
長崎国際大学名誉教授・特任教授

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