もっちり麦(食物繊維摂取用)と袋オブラート販売のお知らせ
前回のお知らせで、花粉症への効果がうたわれドラッグストアーなどで販売されている甜茶には、科学的根拠が十分でないので当薬局では販売しない、と記載しました。
それ以前から、「もっちり麦」と「袋オブラート」の販売を開始していました。「袋オブラート」は漢方薬などを飲む際にご利用ください。
「もっちり麦」は食物繊維を摂取することの重要性を、みなさんにお伝えするために販売しています。
NHK ゆうどき 人生って、もっとオイシイ、でも紹介されました。
調剤以外の物品で利益を多く上げようと、無理に販売するつもりはありません。「もっちり麦」を10袋販売しても、軽い処方箋(薬が1,2種類程度)を1枚調剤したのとほとんど粗利は変わりません。物品販売は損をしない程度あれば十分と考えています。相談コーナーの資料配布や本HPの健康情報と同じく、みなさんに科学的根拠のある健康情報をお伝えし、より健康的な生活をしていただき、当薬局を調剤薬局として信頼してご利用いただくことを目的としています。
厚生労働省は平成26年1月に「薬局の機能と求められる姿」を発出しその中で、調剤のみならず一般用医薬品(ドラッグストアーで販売している)も販売することが望ましいとしています。しかし、当薬局の周辺には大手ドラッグストアーチェーンが2軒あり、品ぞろえも価格も全く競争になりません。処方箋は必要ないものの薬剤師でなければ販売できない第一類医薬品を、マツモトキヨシ柏西口店では販売していませんが、福太郎柏西口店では調剤薬局部門で販売しています。同店の調剤薬局部門の営業時間も当薬局の営業時間よりも長くなっています(2015.03.09両店に電話にて確認)。したがって、現時点では一般用医薬品を販売する予定はありません。
【メンタル不調の患者さんと、メタボ&便秘の関係】
メンタル不調になると、生活習慣が乱れます。統合失調症、うつ、双極性障害のうつ期、不安などほとんどのメンタル不調の患者さんは、引きこもるなどして、運動量が減少します。また、統合失調症やうつの患者さんは、食生活に気を配る余裕がなくなり、不健康な食生活となります。国から使用が推奨されている比較的新しいタイプの抗精神病薬(統合失調症やうつなどに使用)は、糖尿病にかかりやすいことがその欠点としてあげられています。これらの結果メンタルの患者さんは、メタボになり、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病などの生活習慣病にかかりやすいことが問題となっています。
前記の生活習慣病は、自覚症状がないので対応が遅れがちですが、治療を怠ると、自覚症状が出て気が付いたときには脳梗塞で半身不随、心筋梗塞から慢性心不全になると平均余命約5年(すべてのがん患者の平均と同程度)、慢性腎不全になると週3回程度数時間透析のためにベッドに横たわる、末梢動脈閉塞症では段階的に脚を切断など、深刻な臓器障害をもたらします。メンタルの病気を持たない方の生活習慣病の発症時期は一般的には40代以降ですが、メンタルの病気を持つ患者さんは場合によっては20代からその危機に瀕します。生活習慣病を発症してから深刻な臓器障害を発症するまで、20年程度かかります。しかしながら、国が2008年より実施しているメタボ検診は40歳以上を対象にしています。つまり、20代から生活習慣病の危機に瀕するメンタル不調の皆さんは、メンタルが安定して来たら主治医とメタボについてもよく相談する必要があります。もちろん、主治医も多くの患者さんを抱えているわけですから、一人一人にかけられる時間は限られています。したがって、この記事を読んだ患者さんは、是非ご自身でメタボのことを勉強したうえで、主治医に相談することをお勧めします。メタボについては、本HPのアドバイスの項で取り上げていますので参照ください。繰り返しますがみなさんを脅して、何かを売りつけようとしているわけではありません。
日本精神神経学会HPより(最後から2番目の段落参照)
https://www.jspn.or.jp/residents/message/message_01.html
厚生労働省 政策レポート 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)・特定保健指導
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2009/09/02.html
また、メンタルの薬は、便秘になりやすくたくさんの下剤を服用している患者さんもいらっしゃいます。当薬局からも大量にお渡ししている便秘薬には副作用もないわけではありません。
【食物繊維の効果】
食物繊維は、
①腸からの糖の吸収を遅くして、血糖値(および中性脂肪)の上昇をゆるやかにします。その結果、内臓脂肪の増加を抑え、膵臓のインスリン分泌細胞の負担を軽減しメタボ・糖尿病の予防に有益です。
②便の量(かさ)と水分量を増やし、便秘を改善します。
③そして、ほとんど副作用らしきものはありません(もちろん、無制限に大量摂取すれば、どのような健康に良いとされる栄養素でも害はあります)
したがって、食物繊維を多く食べることは、一般の方はもちろんのこと、メンタルの患者さんにとっては、とても良いことになります。
【食物繊維の摂取法】
食物繊維は、野菜、海藻、きのこ、豆などに多く含まれていますので、それらを副食として多くとればよいことになります。一方、大麦にも多量に含まれているため、麦ごはんは主食から食物繊維を多くとるための一つの方法です。どちらの方法でも、みなさんが実行しやすい方法で必要量を摂取することが重要です。
【「もっちり麦」について】
大麦には、うるち麦ともち麦があります。白米と比較した時の食物繊維含量は、うるち麦で20倍程度、もち麦で25倍程度です。もち麦は、大麦の生産量のうち約1%に過ぎません。
大麦はうるち麦でももち麦でも、一般的に押しつぶして押麦として販売されています。押麦は、白米と形が違うので、炊いたときに麦の形が残ります。これに対し、米粒麦といって、麦を半分に割って、さらに形を整えて、米粒のようにした製品があります。「もっちり麦」は、食物繊維をより多く含むもち麦を、米粒と同じような形にした調剤薬局専用製品です。整理すると、以下のようになります。
①うるち麦の押麦 スーパーで販売
②うるち麦の米粒麦 スーパーで販売
③もち麦の押麦 スーパーで販売
④もち麦の米粒麦(もっちり麦) 調剤薬局専用
当薬局では、医薬品卸に注文すると、翌営業日(月-金)に1袋単位で納入されます。①-③に比べ値段が高いのが難点ですが、よろしければご活用ください。