薬局内勉強会 H25.04.11(ムコスタ点眼液)
今回は大塚製薬さんをお招きしまして、ムコスタ点眼の勉強会をしました。
もともと、胃薬として販売されていましたムコスタが点眼に??と、初めは驚きましたが、メーカーの発案としましては、同じ粘膜が眼にも存在するので、効果が期待できるのではないかと考えられたようです。このムコスタ点眼は、ドライアイ治療薬ですが、この眼薬が出るまでは、ドライアイの治療方法は、涙液を安定化させることが重要であると言われていました。実際涙液の状態を良くするために、様々な眼薬が使われてまいりました。このムコスタ点眼もこれまでの薬と同様に、涙液の安定化を薬理作用として開発されたようです。ただ、それだけでは、説明できないまた今までにない良い効果が現れたいくつもの症例が出てきたこともあり、さらに研究した結果、角膜の上皮を安定化している作用があると最近になって分かったようです。角膜の上皮細胞の状態が悪いと、せっかくの涙液を保持できないそうです。このムコスタ点眼は、角膜の上皮細胞を安定させる作用がある上に、分泌型ムチンを出す細胞(ゴブレット細胞)の数を増やす作用があります。比較的新しい薬ジクアホソルナトリウム点眼液(ジクアス点眼)は、このゴブレット細胞に作用してムチン分泌を促進させるのですが、ムコスタ点眼は、そのもとの細胞であるゴブレット細胞を増加させるようです。そうすることで、分泌型ムチンも増え、上皮細胞も安定化し、いい状態の涙がいい状態の角膜に留まってくれて、ドライアイ改善に繋がるようです。
ただ、欠点と致しまして、口腔内の苦みや点眼後の霧視(視界が白濁した状態)があるのが気になる方もいるようですが、今までのドライアイ点眼液では、なかなか改善しなかった方には、試してみる価値のある薬剤のように思います。